フォトマル用のプリアンプを入れてみた
最近のCosmo-Zは、入力のアンチエイリアシングフィルタの遮断周波数を60MHzに上げたので、高周波特性が良くなりました。
しかし、その分、幅の鋭いパルスの計測が難しくなりました。
例えば、プラスチックシンチレータとフォトマルから出てくる信号は数nsくらいの幅しかないそうなのですが、この鋭いパルスをCosmo-Zで受け取ると何が何だかわからない結果となります。
現在、特電でCosmo-Zの実験に使っているβ線、γ線、ミューオン用の検出器はこんな感じです。
上の写真の真ん中にある円柱の中に、プラスチックシンチレータとフォトマルが入っています。いままではフォトマルからCosmo-Zまで直結していたので信号レベルが弱くて困っていました。
今回、フォトマルの下にある四角い箱の中にアンプを入れてみました。フォトマルの近くにアンプがあれば、ノイズの影響を受けにくいと考えたからです。
まず、フォトマルからCosmo-Zへ直結した場合の波形。
酷い時には信号が1クロック分しかないなど、これでは信号処理のしようがありません。
ですが、この信号をCosmo-Zの基板上のゲインをいじって、単純に増幅すると、ケーブルがノイズをひろっているらしくて、S/Nがあまり向上しないのです。
そこで、フォトマルの近くにアンプを入れました。
結果
直結した場合に比べて波形がはっきりしてきました。
幅が50nsくらい、高さが250mV程度です。
できればパルスストレッチャーを入れて、もう少し良く見えるようにしたいところです。
この波形ならMCAも使えるようです。
さあ、意味のあるデータが取れればよいのですが・・
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