高精度AD変換向けOPアンプとひずみ率
昨日から引き続き、18bit AD変換器用のOPアンプ回路の検討をしています。
回路の構成は、こんな感じです。
LTC6362、THS4521、THS4130の3種類のOPアンプのうち、どれが一番良いかということです。
AD7960をフルスケールに振り切るには、0.000V~4.096Vまでの振幅の信号を与えなければなりません。LTC6362はレールツーレールと言われていますが、0.013V~4.93Vまでの振幅しか出せません。THS4521も0.1V~4.7Vくらいです。THS4130はレールツーレールではなく、1.3V~3.7Vくらいしか出せません。
つまり、0~4.096Vをフルに出せるものはありません。
ひずみ率は50kHzのとき、LT6362が-80dB程度、THS4521とTHS4310が-110dB程度です。これだけで考えるとTHS4521がベストです。
実際に50kHzの正弦波を入れて測ってみました。
![]()
まずLTC6362のスペクトラム。入力信号の強度などは適当な値にしています。
二次、三次の高調波を見ると-80dBくらいの性能がありそうです。
![]()
次はTHS4521のスペクトラム。
かなり綺麗です。-90dBはいけるでしょう。
![]()
最後はTHS4130のスペクトラム。
二次高調波が目立ちますが、-90dBは出ています。
![]()
結論を言うと、THS4521が一番よさそうです。そこで、入力段にあるAD8253のゲインをいろいろ変えてみました。
まずはゲイン10倍。当然入力信号も小さくして、ADCの手前で同じ大きさになるようにしています。
ゲイン1のときにノイズフロアが-130dBにあったのが、10dBほど持ち上がりました。しかし、新たなひずみが生じているということはありません。
次はゲイン100。
低周波成分のノイズがうるさいようですが、それでも歪は-85dBはキープできています。
この結果は他のOPアンプでも同じなので、AD8253の部分の性能を見ているのでしょう。
![]()
結論はこうです。
① +5Vで動かすには、どれを使ってもフルスケールは出ない。THS4521かLTC6362が最も広い出力電圧範囲が取れる。
② ノイズやひずみ率的にはTHS4521かTHS4130が良い。
③ AD8253はゲイン1,ゲイン10で極めて優秀。このOPアンプので性能劣化は考えなくてもいい。
この結果から、THS4521を採用することにしました。
最も綺麗なスペクトルが取れる条件を探し、ひずみ率-100dBを達成できました。
| 固定リンク









コメント