« Cosmo-ZのADCの実力 | トップページ | Cosmo-Z Mini用の高速DACの完成 »

2019.02.17

DACの出力OPアンプをTHS4011に交換してみる

久しぶりに夜中に会社に来たので、Cosmo-Z Miniの高速DAC出力回路の出力段OPアンプである「THS4041」を「THS4011」に取り換えてみました。

THS4041は160MHz帯域の高速OPアンプで、容量負荷に対して安定しているとされています。

THS4011は同じ形状の290MHz帯域の高速OPアンプです。

 

まず、現状の回路です。

2CHのDACの出力回路なのですが、下側の出力段を実験中に壊してしまったままになっていました。

Broken_circuit

U6と書かれた正方形のICがTHS4520という高速差動アンプ(600MHz帯域)その右にあるU14がTHS4041です。

このU6が何らかの原因で壊れてしまって、取り換える時間もなかったので、いままで実験ができなかったというわけです。

 

さて、まずはアルミホイルとカプトンテープで養生し、

Heatgun1

ヒートガンを使って温めて剥がします。

Heatgun2

はい、綺麗に外れました。

Heatgun3

そして、ここに新しいTHS4520とTHS4011をはんだ付けします。

Dac_fixed

さて、できました。

これで2つのアンプの特性を比較してみましょう。

今回、THS4011のアンプはゲイン2の非反転増幅器にしています。非反転増幅器は-入力から抵抗をつないでGNDに落とせばゲイン2にできるので、比較的簡単にゲインを上げられます。

オレンジの線はOPアンプの出力、緑の線はOPアンプの入力をオシロのプローブで見たものです。次の波形はHの期間が10クロック、Lの期間が10クロックの波形です。

Scope_221_3

出力(オレンジ)の振幅は±1V出ているのですが、入力(緑)に対して出力の線の立ち上がり緩やかなのがわかります。

Hの期間とLの期間を1クロックにしてみます。

Scope_222

出力の振幅がかなり小さくなってしまいました。

125MHzサンプリングで駆動するLFSR信号(疑似乱数)を出してみると、

Scope_223

かなりビット間干渉が激しい模様。

 

アイパターンを描かせてみると、

Scope_224

入力は綺麗なのに、出力はちょっとスルーレートが足りない感じで、アイが潰れてしまっています。

データシートによれば特性は悪くないので、

Gain

やはりスルーレート不足なのかもしれません。

|

« Cosmo-ZのADCの実力 | トップページ | Cosmo-Z Mini用の高速DACの完成 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« Cosmo-ZのADCの実力 | トップページ | Cosmo-Z Mini用の高速DACの完成 »