DACの出力OPアンプをTHS4011に交換してみる
久しぶりに夜中に会社に来たので、Cosmo-Z Miniの高速DAC出力回路の出力段OPアンプである「THS4041」を「THS4011」に取り換えてみました。
THS4041は160MHz帯域の高速OPアンプで、容量負荷に対して安定しているとされています。
THS4011は同じ形状の290MHz帯域の高速OPアンプです。
まず、現状の回路です。
2CHのDACの出力回路なのですが、下側の出力段を実験中に壊してしまったままになっていました。
U6と書かれた正方形のICがTHS4520という高速差動アンプ(600MHz帯域)その右にあるU14がTHS4041です。
このU6が何らかの原因で壊れてしまって、取り換える時間もなかったので、いままで実験ができなかったというわけです。
さて、まずはアルミホイルとカプトンテープで養生し、
ヒートガンを使って温めて剥がします。
はい、綺麗に外れました。
そして、ここに新しいTHS4520とTHS4011をはんだ付けします。
さて、できました。
これで2つのアンプの特性を比較してみましょう。
今回、THS4011のアンプはゲイン2の非反転増幅器にしています。非反転増幅器は-入力から抵抗をつないでGNDに落とせばゲイン2にできるので、比較的簡単にゲインを上げられます。
オレンジの線はOPアンプの出力、緑の線はOPアンプの入力をオシロのプローブで見たものです。次の波形はHの期間が10クロック、Lの期間が10クロックの波形です。
出力(オレンジ)の振幅は±1V出ているのですが、入力(緑)に対して出力の線の立ち上がり緩やかなのがわかります。
Hの期間とLの期間を1クロックにしてみます。
出力の振幅がかなり小さくなってしまいました。
125MHzサンプリングで駆動するLFSR信号(疑似乱数)を出してみると、
かなりビット間干渉が激しい模様。
アイパターンを描かせてみると、
入力は綺麗なのに、出力はちょっとスルーレートが足りない感じで、アイが潰れてしまっています。
データシートによれば特性は悪くないので、
やはりスルーレート不足なのかもしれません。
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