LCフィルタ設計の勉強(1)
Cosmo-Z MiniのDAC特性がRedPitayaより悪いのは出力のフィルタがないためだとわかり、一安心しています。
それならば、LCフィルタの作り方を勉強しようと思って、ワクワクテカテカしながら下の本を読んだのですが・・・
全くの期待外れでした。
緑色のほうはGHzの話なんてほとんどなく、せいぜいkHzオーダーのフィルタの話ばっかし。それにストーリーに沿って設計手法を解説しようとしたものではなく、適当な製作記事を寄せ集めただけにすぎませんでした。
右側の「アナログフィルタ設計の基礎」も、まったくの期待外れ。バターワースとは何かとかチェビシェフ特性とは何か、といった解説すらない。まぁ、出てくるのはせいぜい二次フィルタまでだから、チェビシェフとか関係ないのかな。
3次以上のフィルタを作り方の話は全くなしです。
LCフィルタも出てこない。唐突にアクティブフィルタが出てくる。
バンドパスフィルタもBEFもいらないから、まずはLPFをきっちりと解説してくれよ。
⚡⚡
あまりにも期待外れだったので、CQ出版のWebショップで「LCフィルタの設計&製作」を注文。
しかし、到着が待ちきれず、丸の内オアゾに行って「LCフィルタの設計&製作」を買ってきました。読んでみると・・これは期待できそうな内容。LCフィルタの作り方がちゃんと書いてある!当たり前のことに感動しています。
CQ Webショップに注文はしたけど、店舗で即購入してしまった。
読んでみると、まずフィルタの古典的設計手法ということで「定K型フィルタ」と「誘導m型フィルタ」というのが出てくる。
定K型フィルタというのは、1Hと1FのLCフィルタを基準にして、インダクタンスや容量をN倍にしていくというもの。
この1Hと1Fのフィルタはインピーダンスが1Ωで遮断周波数が(1/2π) 0.159Hzにある。
ただし、この本では解説はされていないのだけど、上の回路のフィルタをそのまま作ってシミュレーションすると、下の図のようにLCの共振周波数でピークが出てしまう。
おそらく、信号源と、測定端を特性インピーダンス(この場合は1Ω)で終端してやらないと正しい特性にならないのだと思う。
これで望みの特性になった。
1MHzのフィルタにしたいのであれば、倍率M =1MHz/0.159Hz≒6289000であるから、L'=1H/M=0.159μH、C'=1F/M=0.159μF、にすればよい。
そして、インピーダンスを変えるにはK=目的のインピーダンス/元のインピーダンス=50/1=50として、L''=L'×K=7.95μH、C''=C'/K=3.18nFにする。
うむ、完璧だ。本に書いてあるとおり遮断周波数が1.4MHzになっている。LCの共振周波数√LCからずれるのは、おそらく抵抗があるからなんだろう。
次に、定Kだと遮断特性がよくないので、誘導m型というのが出てくる。誘導m型というのはいわゆるノッチだ。
定Kと誘導mは組み合わせて使うことができる。
定Kで緩やかなLPFを作り、遮断周波数付近のだらだらとした下がりを、ノッチで急峻に落とすというわけだ。
試しに、遮断周波数50MHzにして、60MHzにノッチをかけたフィルタを設計してみた。
定K型、誘導m型、そして組み合わせたもの3種類を作り、シミュレーションする。
結果は下の図のとおり。
誘導mだけだとノッチした後、遮断域でスカスカに透過してしまう。K+mの組み合わせにしても遮断域の特性はよろしくない。
それならば、定Kのほうを高次にすればよい。
前段は4次の定K型フィルタ、後段は誘導m型フィルタだ。
その特性は、
うむ。すばらしくキレがよい。
定K型と誘導m型フィルタは、ちょっと周波数がずれるが設計は簡単で、そこそこの性能が出ることがわかった。
結論を言えば、
「LCフィルタの設計&製作 森栄治著」は神。
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コメント
みぎの本を持っているよ。
この本RCフィルターしかのってないね、、、
私はRCフィルターの過渡応答について調べてたのでちょうどよかったけども。
投稿: きただ | 2020.08.16 08:57
「計測のためのフィルタ回路設計」という本はどうでしょうか?
投稿: | 2020.08.16 15:20