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2025.01.26

事業再構築補助金の事業化状況報告を行ってみた

昨日の続きです。

事業化状況報告で「事業化段階」と「知的財産」を入力したら、中身は適当でもよいのでまずはすべての項目を全部埋めることをお勧めします。期限までに何かのデータを入力しておけば差し戻しラリーにはなるかもしれませんが、最悪でも取り消しにはなりません。明日事故に遭う可能性だってあるのですからまずは何かを書いてしまいましょう。

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いろいろ登録しても、「完了」ボタンを押すまでは戻って修正できるので安心して登録ボタンを押せます。

そして期限まで日があるので、中身を正しく正確に直していきます。

 

決算情報の入力に戻ります。ここでの入力内容は新規も既存も含めた全事業の情報を意味するのだろうと思われます。

決算書から転記していけばよいのですが、会計の概念として難しいのは減価償却費が原価と販売費および一般管理費に分かれていることでしょう。

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減価償却費のうち、車やパソコンと、製造機械で別々に書けということでしょうね。車やパソコンは販売管理の減価償却費で、製造機械は製品の原価ということでしょう。

「今後の事業化の見通し」というところでは、事業総額では新事業に費やした総額を書くと思われます。

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補助事業終了年度末までの類型学は補助対象経費の総額ではなく、総額だろう。ということは簡単には出なさそうです。

会計ソフトで1年分を見るだけではなく、2年前の研究開発費や広告費も含めるのでしょう。

これは算出が難しいですね。つまり、補助金に採択される前の期間に自主事業としてコツコツ研究していた分も含めることができるというわけです。ここを高額にすれば収益納付が減るのですが、下手なことを書いて差し戻されるよりも、実績報告のA金額を書いておけばいいんじゃないかと思います。

この金額が少なければ収益納付が大きくなるので、事務局も増やすようにとは言わないでしょう。

 

【製品等情報】

次に「製品等情報」というのを登録するのですが、この販売費および一般管理費というところが事業化状況報告のヤマ場なのでしょう。

私の事業の場合はサービスなので、販売数量という概念がありません。サービスの提供で1回1回の金額も異なるし、そもそも仕入れが発生しないものだから、どう書けばいいのかさっぱり不明です。

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私の新事業は「サービス」であり、設備(と知識)があれば原材料を仕入れなくても提供できるものです。しいていうなら検査済みのICに貼るQRコードシールくらいしかありません。あと、宅急便代か。

なので、販売原価は191円。ここだけ見れば黒字。

ですが、一般管理費を入れなければなりません。ここに自分の人件費を入れたり事務所の占有面積から地代家賃を案分して出したりといっ作業が必要になるのでしょう。

「役員報酬(○○○○万円)に対してエフォート率○○%として人件費○○○万円を計上。事務所賃料(○○○万円)の約33%を本事業で案分し81万円を計上。」として登録しました。

かかった費用が680万円に対して売上が10数万円。なので利益は-668万円ということになりました。

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【追加エクセル】

さらに追加エクセルというのもあって、

・補助金を活用した設備が稼働した時間
・補助金を活用した設備が本来稼働するべき時間
なんていうのも書かなければなりません。

設備を実際に稼働させているかどうか(事業を中止していないかどうか)を見るのでしょう。

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Webフォームのシステムを構築した後で追加の調査項目が要求されて、フォームを修正する予算や時間がなかったからExcelで済ませたのでしょうか。Webフォームのシステムはよくできてます。このWebフォームの要領で入力できればいいのにね。

【事業化段階とは】

それから、事業化段階の「第4段階:継続的に~」というのは、毎年1件以上の受注があるか、直近で2件以上の受注があることを意味するらしいのです。

例えば新事業でラーメン屋を始めた場合、令和5年度に2杯、令和6年度に1杯売れれば第4段階になります。令和6年度から事業を始めた場合、1年間に2人の客に売れればよいわけです。

毎年1件以上の受注があるか、直近で2件以上の受注があれば第4段階なのです。

私の場合、令和6年度に半導体真贋判定を2件受注して別の顧客だから「継続的」に該当するのでしょう。やったー!第4段階だ。

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【そして完了へ】

最後にアンケートに回答しておしまいです。

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なお、「事業化状況報告完了のお知らせ」みたいなメールはありませんでした。

上のWebフォームで完了日が書かれるだけのようです。

 

事業化状況報告の目的は、

・事業が中止していれば返金を求める

・利益が出ていれば収益納付を求める

ということですので、事務局が差し戻してくるとすれば、経費(原価+一般管理費)がより少なくなるように言ってくるでしょう。

利益が出たとしても、補助事業期間に費やした自己負担分(3分の1)が埋まるまでは収益納付は発生しません。

それから、補助事業期間外に研究開発に費やした費用や、補助対象にならなかった経費を含めれば、利益が出たときに差し引ける分が多くなるので収益納付が遠くなります。なので、事務局が帳票出せとか言ってくるでしょう。だから自己負担分はあまり増やさないのが吉です。

あとは社長の人件費や事務所の面積の案分計算がどうなるかという点がポイントになるかと思います。

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2025.01.25

事業再構築補助金の事業化状況報告について調べてみた

事業再構築補助金を行うと事業化状況報告というのを行う義務が出てきます。これをやらないと交付取消しなって返金を求められるという怖いものです。

私の場合は実績審査が長引いていて10月にようやく入金となったので、最初の事業化状況報告がその3カ月後の1月末となりました。

締め切りが迫ってきたので、どのようなことをすればよいのか調べてみました。

 

まず、事業化状況報告の案内が来ているメールを探します。

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そこに書かれたURLを開くと、こんな感じのページにたどり着きます。

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「事業化状況・知的財産権報告」と書かれたところをクリックすると表が現れます。

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これを埋めていけばいいのですね。

まずは未入力と書かれたところをクリックしてみましょう。事業化の段階を選ぶことになります。

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私の場合は事業化しているので第三段階です。

次に、知的財産のことを聞かれます。現在はまだ出願していないから0と書きます。

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ここまでは簡単なのですが、次に進むと・・・

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うわっ。出たな。

片手間ではできなさそうなので、じっくりと取り組むことにしましょう。

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2025.01.11

塗りつぶされた二次元バーコードを解読できました

先日、中国の某社から入手したZYNQは二次元バーコードやシリアル番号が塗りつぶされていたのですが、塗りつぶされたバーコードを復元することに成功しました。

これが塗りつぶされたZYNQです。

Nurizynq

モザイクがかかっているのではなく、レーザーマーキング機を使って二次元バーコードの部分が物理的に削られているのです。

しかし、世の中には凸凹を測定することができる機械があるのです。

その測定器を使って見てみると・・・何とか読めそうではないですか。

3dkeisoku

二次元バーコードの部分も、レーザーを使って縦に堀って消したことが分かります。

2dbar

しかし、いくらレーザーで掘って消してもわずかな凸凹が残っていました。

この凸凹を目で見て1か0かを判断しながらパワポで正方形を重ねていったら・・

Fukugen

AMD Device Lookupがピコン!ブーン!と反応して、Device Lookupに成功しました。

Dlu

ここに出てきたDevice Lookupのシリアル番号D6543・・・というのは、デバイスの表面の消されたシリアル番号とも一致します。

Deserial

なんとなく読めるでしょうか?Dの後ろの65434・・が。私は5548だと思っていましたが6543だったようです。

 

あと、もう一つ気になるところがあるのです。

このBGAのデバイスはボールに打痕が見当たらないのです。メーカー出荷時に検査したらボールにプローブを当てた痕が付くと思うのですが、凹みがないのです。

Bga

つまり、リボールしたままの姿ということでしょうか。

大変興味深いデバイスといえます。

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2025.01.10

塗りつぶされたICに関する貴重なご意見の数々

昨日、二次元バーコードが塗りつぶされたICの写真を公開したら、いろいろなご意見をいただくことができました。貴重なご意見なのでここにまとめます。

・以前、SP6のパチモンにあたって1番ピンの位置が表と裏で異なっていた。ニコイチして貼り合わせようとして間違えたのかもしれない

・二次元バーコードが塗りつぶされたFPGAは有名どころの製品に乗っている

Nuri

・ロット番号が改ざんされているものに当たった。見た目は普通だったが不良率がめちゃめちゃ高かった。もう正規ルート以外は信用できない

・流通業者からのコメント。「チャネル(入手元?)を保護するために、追跡可能性を防ぐために QR コードとシリアル番号を変更します」つまり、入手元のが明らかにならないように流通業者が消しているとか。

Xinv

・パートナー(大量に使う業者や評価ボード業者)は特価で買えるけど、製品に組み込まずに単体で流すと怒られるので消してから流す

 

つまり、大量に使うパートナー向けに格安で卸されたものが、実際には目的の製品に使われずに流通業者に流して、流通業者はその出どころを隠すために消しているということもあるようです。工場からの余りものが流れてきたということなので、ある意味正しい流通品と言えます。コンプライアンス的には問題なのかもしれませんが、動作するか否かというと、動作するはず。

 

中には中古品のICを無理やりぴっぺがして、上(マーキングのあるほう)と下(BGAの足のほう)を貼り合わせるなんてこともやっている超悪徳な業者もいるのかもしれませんね。

私が入手した部品は注文してから2営業日くらいで出荷されたので、手の込んだ細工はしておらず、工場のあまり物だったのではないかと思われます。

非正規品ではあるけど偽物とまでは言えない、ある意味、本来の流通在庫品といえます。

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2025.01.09

不正なICを入手!

中国の流通在庫業者にFPGAを発注したところ、ついに不正なICを入手することに成功しました。

Fusei1

どうです!?見てください。二次元バーコードが塗りつぶされています。

シリアル番号の部分を顕微鏡で観察すると、何本もの縦線で消されているのがわかります。

Nuri_serial

2次元バーコードの部分も塗りつぶされています。

Nuri_2dbar

しかし、BGAのボールの状態や表面を見る限りでは中古品という感じもしませんでした。まさかとは思いますが、工場の横流し品でしょうか。

 

また、Cyclone3の484ピンデバイスも入手しました。こちらは見た感じでは不正な感じはしません。

Cy3

先日作ったテスト機にかけてみると・・

Cy3_test

JTAGのIDCODEが読めて認識することができ、

Cy3_detect

バウンダリスキャンによって端子の状態を見たり操作したりすることができました。

Cy3_bscan

このデバイスは現時点では不審な点は見つかりませんでした。

 

 

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2025.01.02

仕事始め

IC真贋判定装置のニューバージョンを作っています。

今日はピンエレクトロニクスモジュールに与えるSPIやJTAGの信号をどうやって与えるか、モジュールに与える電源をどうやって与えるかを悩んでいました。

まずは昨年末の状態。中心にあるループ状のパターンが電源配線です。VCC1,2,3,4と3.3V、5Vなどがあります。

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一つのコネクタには16個の子基板がつながるので、コネクタの直前でバッファをしてやる必要があるだろうと思われます。

また、基板全体の制御コントローラは1.8Vのロジックで、モジュールは3.3Vなので2電源バッファが必要です。ここではSN74LVC8T245DWRというのを使います。ところで、SN74LVC8T245DWRなのですが、パッケージの種類が多すぎる。データシートは不親切なので基板のfootprintが合うかどうか不安でたまりません。

内層を5mm幅で分割して7種類の電源を与え、バッファICも置きました。

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それから、このコンパクトにまとまった2つのICは、OPアンプとアナログスイッチです。

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ICの電圧測定は5Vくらいまで測りたい場合と1mVくらいを精密に測りたい場合があります。

そこで、1/10アンプと100倍アンプを両立させるため、OPアンプにアナログスイッチを付けてゲインを変えられるようにしました。

 

結果的にこうなりました。

Kiban2_20250104004701

SPIの配線は8×4で32本。JTAGも32本。何とか集約しないとコネクタの配線がもったいないですね。

やはり基板上にCPLDを置こうかな。

 

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2025.01.01

あけましておめでとうございます

あけましておめでとうございます。

今年は初日の出を見に、銚子の先っちょまで行ってきました。

犬吠埼の付近は車が入れないのですが、黒生港というのでしょうか、工場や防波堤があるこの付近は車で行くことができました。

Kuronama_20250104003801

はっきり言って、超超超穴場です。

Mae

周りをみればたくさんの車が集まってきています。

Kuruma

そしてついに初日の出!

Hinode

寒いので車の中から拝みました。

皆さま、今年もよろしくお願いします!

 

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