電圧リミット回路
柔軟にリミット電圧を設定できる保護回路を考えました。
MOSFETを使うのですが、ダイオードと比べると、
- リミット電圧を動的に設定できる
- しっかりクリップする(ダイオードは閾値が入力電圧で変化するから膨らむ)
- 直列インピーダンス低い
- シャント動作ではない
というメリットがあります。
MOS FETで作るI2Cバスの電圧変換のような回路ですが、VgsはFETごとに異なるので、同じFETで持ち上げてから使うようにしました。そのため、設定電圧と同じ電圧でクリップさせることができます。
動作の波形を詳しくみてみましょう。
赤の線が入力、緑がダイオードによるリミット回路、青が今回の回路によるリミット動作です。
緑の線はダイオードリミット回路ですが、ダイオードの閾値というのは「壁」ではなくてあくまでも急なカーブにすぎないので、入力電圧が大きくなれば多めの電流が流れてしまいます。そのため、ダイオードリミット回路は設定した閾値よりも高い電圧を通してしまいます。
それに比べて今回の回路は閾値を超えるとFETがOFFするのでかなり厳しくリミットできます
リミット電圧は外部から設定できます。このリミット回路を応用すれば、DACや半固定抵抗で設定し、その範囲内で波形を出力するような安全な波形発生器が作れます。リミット電圧範囲内ならクリップしないし、歪みません。
下の図はリミット電圧を高くした場合です。入力と出力は同じ値となります。
N MOSFET側の動作を簡単に説明します。
いま、出力電圧の初期状態を0Vとします。入力電圧がViとします。Voが低くゲート電圧が低ければFETがONしてドレインからソースに電流が流れ、Voが上昇します。Voが上昇してくるとあるところでVg-Vgsよりも高くなります。そこでトランジスタがOFFしてVoはオープンになります。
このようにして、ViがVg-Vgsを超えるとリミットがかかってMOS FETがOFFになり、ViがVg-Vgs以下であればMOS FETがONしてVo=Viとなるという動作をします。
ON抵抗はMOSFETのRdsなので極めて低いのが特徴です。ダイオードのシャント回路だと電流制限抵抗で数十Ωの直列抵抗を入れなければなりませんが、この回路では信号が透過するインピーダンスを低く抑えることができます。
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