アナデバのICがMouserで買いにくい理由
最近、アナデバのICがMouserで買いにくい、自動的にキャンセルされる、という声が聞かれます。
どうやら個人には売らないという方針らしく、個人事業者も購入できなくなったそうです。
アナデバはMaximやLTを買収しているので、MaximやLTのICも買えなくなったということで、これは小規模事業者にとっても大変な問題です。
アナデバの部品が買えない理由についてはMouserは公式には発表していませんが、私はロシアによるウクライナ進攻の影響ではないかと考えています。
具体的にいうと、ロシアのミサイル残骸から米国半導体が見つかっていて、ロシアがどうやって制裁を回避して入手していることが問題視されています。
この件で、2024年にADI、TI、AMD、Intelの4社が厳しく問い詰められています。
https://kfgo.com/2024/02/21/senate-panel-to-hold-hearing-on-us-chips-use-in-russian-weapons/
さらに詳しく言うと、2024年にロシアのKh-101ミサイルがキーウの小児病院を攻撃し少なくとも42人が殺されました。このミサイルで使われた部品は2022年にロシアが進攻した後で製造されていたのです。商務省や議会が怒り、4社を厳しく叱ったとのことです。
制裁しているのにどうしてロシアに渡っているのかというと、第三国(アルメニア、カザフスタン、トルコ)を通じて輸出量が急増しているので、米政府から各メーカーに販売先をしっかり管理しろと圧力がかかり、現在のような販売制限がかかるようになったと考えられます。
『2021年から現在までのロシアおよびその他10カ国(アルメニア、ベラルーシ、中国、フィンランド、ジョージア、香港、カザフスタン、キルギスタン、ロシア、トルコ、ウズベキスタン)への輸出に関するデータに関する情報と記録を要請した。これらの10カ国は、ロシア連邦による半導体の取得を支援した、または支援する可能性のある組織が存在する国として特定されている』
すなわち、中国や香港、中央アジア諸国を通じてロシアに渡っている可能性が高いということです。
今のところDigikeyが日本宛の出荷を制限していないのは、Digikeyが日本に売った部品がロシアに流れた事例が見つかっていないからでしょう。もし、誰かがロシアに電子回路を輸出でもしたら、日本行きの出荷が怪しいということになって、厳しくなる可能性は十分にあります。
絶対に電子部品がロシアに渡らないように気を付けなければなりません!!
日本はそういう懸念を持たれている国ではないのですが、それは先人の努力による信頼の結果でもあります。
アメリカ政府の怒りのレベルは10段階で言って7~8くらい。本気で怒っているけど、まだメーカーの自主的な改善に期待しているレベルです。ここでメーカーが手を打たないと本格的に政府から制裁を食らうというレベルです。
Mouserで個人が買えなくなりましたが、このままDigikeyやその他のディストリビュータでもそうなるのか、それともMouserだけなのか。今後の展開から目を離せません。
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