RFマイクロ波

2026.01.19

高周波ミキサへのバイアス回路

HMC8191という高周波ミキサがあります。

このミキサはIとQの入力をLOに掛けてRFから出力するという、普通の高周波ミキサです。
20GHzくらいまで使えます。

 

このミキサを使っていて思うことは、IやQの入力電圧が0のときに最小になるのではなく、0.1Vくらいで最小になるということでした。

しかも、+0.1Vなのか、-0.1Vなのか、個体差があります。

つまりミキサのI/Q入力にオフセットがあるのです。なぜオフセットがあるのかはわかりませんが、LOから入った高周波が検波されたDCがIやQに漏れているのか、もしくはミキサ素子の中で等価的に漏れているんじゃないかと思います。

そこで、IやQの端子にオフセットを打ち消すバイアス電圧を加える回路を作りました。

Mixbias

JLCPCBで発注したので金曜日くらいには届きます。

今までにないキレの良さで変調できるようになるのか、楽しみで眠れません。

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2025.12.22

ADF4382A基板の設計にSMPコネクタを乗せてみる

SMAのコネクタって大きすぎると思いませんか?

最近気になっているのはSMPやSMPSというコネクタです。

SMAよりはるかに小さく表面実装で、意外と安いのです。

SMPやSMPSのコネクタを基板間接続に使えば、何枚ものRF機能基板を重ねていって何らかの機能を実現するモジュールができるのではないかと思うのです。

 

設計中のADF4382A基板にMolexの853050232というコネクタが乗るかどうか試してみると、なんとかいけそうですが・・

Adf4382pll_1

しかし、1インチの箱にこれが2個入るかどうかというと微妙です。

もう少し小さいといいのですが。

やはりポゴピンかな。

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2025.11.22

RX63Nを使った精密DAC基板

RX63Nを使って精密DACを作っているのですが、この基板の部品をDigikeyに発注しました。

運がよければ火曜日に来ます。

Rpdac_4

これは単純な16bit DACです。

いくつかのRF部品は0.3Vみたいなバイアス電圧を必要としますが、DC電圧を与えるためにファンクションジェネレータを使うのがもったいないので作っています。

ポイントは正確な出力電圧、同軸ケーブルを駆動しても安定なOPアンプ、5V 50Ωを駆動できるパワー、マイコンから独立した過電圧保護回路です。

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2025.08.27

20GHzまで使えるRFスイッチを作る

20GHzまで使えるRFスイッチを作りました。

20250827_051718_copy_1000x750

ロジャース基板版で、結構キレがよく、ON/OFF比もよい感じです。
16GHzでの挿入減衰は-2.5dBくらい。

20gsw_1

ちなみに、信号線の周りをGNDで囲んだコプレーナにしたら全然ダメでした。GNDから十分に離したマイクロストリップラインにしたらうまくいきました。また、FR-4では減衰が大きすぎて全然だめでした。

  • FR-4・・・減衰多すぎ
  • ロジャースCP・・特性ぼこぼこ
  • ロジャースMSL・・うまくいった

以前測った20GHzまでの周波数特性はこんな感じです。やっぱり周波数が高くなると減衰しますね。

20gsw_2

 

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2025.08.04

JLCPCBのロジャース基板

JLCPCBのロジャース基板というのを試してみました。

Rogers

左下のが本当に作りたい基板なのですが、ロジャースの性能を測るために余計な基板を面付しています。

一番右にあるのがただの直線でコプレーナ線路。

右から2番目にあるのがただの直線のマイクロストリップ線路。

結果はというと、マイクロストリップ線路はちゃんとできたのですが、コプレーナ線路は10~20GHzの範囲で阻止域がたくさんできてしまい、使い物になりません。

原因は不明。

マイクロストリップ線路にすれば理論通りに作れるのですが、JLCPCBのロジャース基板は厚さが0.51mmあるので、50Ωのインピーダンスにするには1.1mmの線幅が必要になります。

1.1mmというのはかなり太いのです。

QFNパッケージのミキサICとかアンプICはピンのピッチが0.5mmなので、1.1mm→0.5mmへ入るところで極端なインピーダンス変化が起きるため反射してしまうからです。

そのため、マイクロストリップラインにおいても線幅を細くしておきたいわけです。

そこで考えたのがコプレーナ線路にすれば線幅を50Ωの0.7mmにできるということでした。横からもGNDが迫ってくるのでインピーダンスは下がります。しかし、実際にやってみると阻止域だらけになってしまったのです。

もしかするとGNDのViaをたくさんうたなければいけない?

 

ロジャース基板自体は悪くなくて1本線のパターンなら減衰は低い。層間が厚いので配線を細くしようとコプレーナ線路も試したけど、これが特性が悪すぎる。結論を言うと、ICを乗せてミキサやアンプとか作りたい場合には、配線が太くなりすぎて細かいICのピンに入っていかない。基板自体がもっと薄くなって、細い配線にできないと、高機能な基板が作れない。これなら4層FR-4のほうがいい。

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2025.07.12

FR-4で16GHz基板

FR-4で6GHzのアンプと16GHzのアンプの基板を作ってみました。

シミュレーションでは5cm程度なら-3dBくらいで通るはず。ロジャースを使わずにFR-4でどこまでいけるかチャレンジしてみます。

Fr416ghz

JLCPCBのFR-4 4層の場合、0.4mmで50Ωになるけど、マイクロストリップラインが良いのか、それとも隣にGNDを配置したコプレーナ導波路にしたほうが良いのかわからないので、両方試してみるしかありません。

16GHzになるとGNDのViaの打ち方で特性が変わってくるです。

前回作った基板はおそらくViaのサーマルランドが悪さをしていました。

今回はサーマルにはせずに全部ベタビアにしました。

 

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2025.06.27

自分のURLを書いたQRコードはフィルタになるか?

QRコードみたいなフィルタがあまりにも衝撃的だったので、自分のURLを書いたQRコードでもフィルタになるのかを試してみました。

Qrfilter7

この特性をシミュレーションしてみると・・

Qrfilter8

なんとなくフィルタになっているようですが、全体的にS11(反射)が高すぎるので、あまり使い勝手は良くないような気がします。

また、どこからポートを出すかでも変わってくる気がしたので、ポートを出す位置をいろいろ変えてシミュレーションしてみました。

 

Qrfilter9

結果はこちら。

Qrfilter10

隣に1個移動すると、特性があまり変わらない場合もあれば、大きく変わるときもあります。

予測できそうで予測できない動きをします。

ざっくり言うと、

つながりが多いところからポートを出すと、低周波での透過が良く、適当なところで帯域阻止がかかります。

つながりが薄いところからポートを出すと、低周波での透過が悪くなります。

これは予想どおり。でも、それだけではありません。本当にわからない挙動をします。

 

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2025.06.26

QRコードみたいなミリ波フィルタについて

X上で驚くべきフィルタ回路が話題になっています。

https://x.com/vikramskr/status/1937658826414784589

こんなQRコードみたいなフィルタ回路なのですが、なんと、これがローパスフィルタやバンドパスフィルタ、バンド阻止フィルタになるとのこと。

Qrfilter

シミュレーションされた方の投稿。

https://x.com/jwt0625/status/1937767277770018917

Qrfilter3

 

あまりにも衝撃的だったので、私もシミュレーションしてみることにしました。

秋月のMEGTRON基板(すでに販売終了)で再現すると50Ωになる線幅は0.63mmなので、縮尺を少し変えて、1ピクセルが0.21mmにします。

試してみたのは上から2番目にあるバンド阻止フィルタのものです。

Qrfilter2

驚きのサイズですね。4ミリ角くらいしかないですよ。元の文献のは15GHzを阻止するようにできていますが、私のは線の幅が0.63mmなので、15×0.35/0.63で8.33GHzあたりを阻止するはずです。

シミュレーションしてみると・・

Qrfilter3_20250630000501

 

マジかよ!

Qrfilter4

本当にフィルタとして動いている!

電界分布を見てみると、

Qrfilter5

うん。全然わからん。

Qrfilter6 

どこがどう作用してこういう周波数特性になるのか説明しようと思っても、うまくいかない。

本当に不思議なフィルタです。

 

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2025.05.20

基板間を20GHzでつなぐ方法

基板間で20GHzまでのRF信号をやりとりする方法を考えています。

一つの候補は、Molexの5G15や5G25というコネクタです。

5g15

5g15_2

どうやら5G15は15GHzまで、5G25は25GHzまでいけるらしいです。

5G15はGNDと隣り合わせることで平行線路のインピーダンスを適用できるでしょうか。
5G25の横にある垂直に立ち上がったピンは周囲がGNDに囲まれていて同軸ケーブルっぽさを感じさせます。

これらのコネクタは、平行線路や同軸ケーブルと等価な垂直線路を作っているのではないかという疑問が生じます。

5g15_3

垂直に立ち上がる部分のピッチが0.35mmなので、ピンの幅は0.13mmとするとln(D/d)≒1で、インピーダンスは60/√εrとなります。
プラスチックの比誘電率はだいたい2~2.5くらいなので、この黒い部分の誘電率おかげで約50Ωになりそうな感じです。
平行線路と考えればだいたい合いそうだということがわかりました。

 

つまり、高周波コネクタってやつは、ピンを立ててそれが平行線路や同軸ケーブルとみなされるような条件にしているわけですな。

ポゴピン2本では50Ωは作れないけど、信号線の周囲をD/d=2.3で囲めば50Ωに近づきそうです。

Pogo50_1

ポゴピンを使って基板間を50Ωで接続する方法は確立できました。

導体棒を円形に何個も配置すれば等価的な同軸ケーブルになるかどうかシミュレーションしてみたところ、GNDが円柱ではなく、何本にも分かれていると行って帰ってくる経路で定在波が立って周波数特性がフラットにならないことがわかった。

ちなみに長さは20mm。

Circlar1

Circlar2

 

 

 

だいたいどんな周波数でも、どんな基板間距離でも、反射の最低値を合わせ込めるようになった。あとは、この美しい電磁界を壊さずにマイクロストリップラインから給電できるかということが問題だ。

 

Pogo50_2

Pogo50_3

Pogo50_4


このノウハウを使えば、基板のViaのインピーダンスを調整して20GHzを基板の裏から表へ通せるんじゃないかな。20GHzクラスの基板を多数積層できそうだ。

インピーダンスを50Ωにする黄金の比率を発見。周波数特性も自由自在だ。面白い。実際に作ってみたい。

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2025.05.17

HMC8191評価基板の解析

HMC8191というミキサの評価基板のガーバデータを見て、設計手法を解析しています。

この基板って隣り合うピンがショートしているような感じのはんだ付けになっているのですが、これはいったいどういう意味があるんだろうという疑問があります。

単に余った半田がブリッジしただけとは思えません。

Hmc8191ev3

Hmc8191ev4

そこで、ガーバファイルを見つけて解析してみました

Hmc8191ev5

 

なるほど!信号線の周りをベタGNDで囲んでいますね。

Hmc8191ev1

ピンごとに配線しているわけではないようです。参考になった。

ちなみに、これはマイクロストリップラインではなくてGND付きコプレーナ線路なんだろうなと思います。

MSLとして計算してもほぼ50Ωだけど、コプレーナのほうが分散が小さいのかな。

Hmc8191ev2

 

HMC8191の基板とパッド付近を、半分想像でモデルを作ってシミュレーションしてみました。

Hmc8191ev6

Hmc8191ev7

なるほどね。このようにするとマイクロストリップラインからの垂直立ち上げ部分でも反射を抑えることができそうです。

すべての寸法に意味があることがわかりました。

 

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